ある医学生の効率ライフ

楽しく効率的に頑張る医学生の日記。

コロナの薬の話

はじめに

コロナの薬として、「レムデシビル」が昨日承認されましたね!

いろいろとコロナの薬の候補がありますが、

どんな薬があるのか、どのように効くのか見ていこうと思います。

 

レムデシビル

昨日承認されたこの薬ですが、

ウイルスが複製を行うための「RNAポリメラーゼ」という酵素を阻害します。

すると、ウイルスが複製できなくなり、増えにくくなるという仕組みです。

たとえると、ウイルスが自分を増やすためのコピー機」を邪魔して動かなくする薬です。

副作用は、肝臓や腎臓に障害が出る場合があるとのこと。

 

アビガン

これは日本の富士フィルムが作った薬です。今月中に承認されそう。

この薬も、上のレムデシビルと同様に、

ウイルスの複製をするための「コピー機」を邪魔する薬です。

副作用は、赤ちゃんを奇形にしてしまう可能性があります。

というわけで、妊婦さんは使えません。

 

シクレソニド

これはもともとぜんそくの薬です。

効く仕組みは上の二つの薬と同じですが、

ぜんそくの薬なので、肺の炎症をやわらげる働きもあるとのことです。

 

カレトラ

これはもともとエイズの薬です。

上3つの薬とは違って、細胞の中でウイルスのたんぱく質のもとが合成された後、

それを正しい場所で切って、実際にウイルスの体を作るたんぱく質にするための

プロテアーゼ」という酵素を阻害します。

たとえるなら、プラモデルの部品を切り出すための「はさみ」を邪魔してしまおう、というわけです。

部品を切り出せなければプラモデルができないのと同じように、

プロテアーゼがなければウイルスの体が作れないわけです。

 

関節リウマチの薬

人間にはウイルスを撃退するための免疫があります。

しかし、それが時として暴走してしまい、自分にダメージを与えてしまうことがあります。(サイトカインストーム)

コロナの死因の主なものの一つとして、この「サイトカインストーム」によって免疫系が肺などにダメージを与えてしまうというものがあるようです。

そこで、暴走した免疫の働きを少しおさえることで、肺のダメージを減らしてあげよう、というアイデアがあります。

関節リウマチも、自分の免疫系が暴走して自分自身を攻撃してしまう病気なので、

同じような薬を使うことで、症状がよくなることが期待できます。

 

まとめ

コロナの薬には、

ウイルスが増えるのを邪魔する薬

免疫の暴走をおさえる薬

があるのを見てきました。

ほかにもいろいろな薬があるようですが、

どの薬がよく効くのか、早く解明されるといいですね!